北海道と同じくらいの大きさの国土を、東西に中央アルプス山脈が貫くオーストリア。寒さの厳しい冬を越え、人も風景も夏を迎える喜びに輝いています。街中を走る路線バス、街と街をつなぐ長距離バスを乗り継ぎ、芸術の都ウィーンを発点に、山と湖に彩られたザルツカンマーグート地方を目指す旅です。石畳の小道や何気ない路地裏に迷い込みながら、バス旅だからこそ出会える風景、その土地に生きる人々とのふれあいを描きます。
出発地・ウィーンでは、市内を走るバスに乗り、フンデルトヴァッサーという現代建築家の作った奇抜なマンションに住む人々の暮らしをたずねました。途中下車したグムンデンでは、有名な地元の産業「グムンデン焼」の陶器工房を訪ね、職人の仕事を見せてもらうことができました。終着地・ハルシュッタットは、世界遺産に指定されている湖畔の小さな街。湖の漁師の朝の漁にお付き合いさせていただき、この地方でしか食べられない魚料理をいただきました。そしていよいよ最終目的地、クリッペンシュタインの展望台からダッハシュタイン山塊の大パノラマを望んだのです。