幾千の旅先で生まれる幾万の旅人の思い出。 一人旅であったり、家族旅行であったり、友達との旅であったり。どんな形であっても旅人の話は興味深い。今回のコラムはスペイン・マヨルカ島を旅したとある人物の物語。 |
「ロトゥーセ」~終わらない歩み~ |
マヨルカ島は1年のうち300日は晴天に恵まれ、温暖な気候と美しい自然があり、当然周りは海に囲まれている。地中海の楽園。 そんな謳い文句とアイランドリゾートが持つ特異な魅力に惹かれてマヨルカにやってきた。生活圏の外に出るだけで気分が高揚するのは自分だけだろうか。頭がいつもとは違う出来事で満たされ計画の無い旅も退屈することなくあっという間に過ぎていった。 そして旅の終わりが近づくのに比例して現実が近づいてくる。 |
ジャウマ3世通りの「ロトゥーセ」を訪ねる。ロトゥーセは1877年にアントニオ・フルーシャが設立したインカで最初の靴工房。インカにおける靴の工業生産の礎を築いたメーカー。さらにアントニオの孫ロレンソは世界に展開するカジュアルシューズブランド「カンペール」を設立している。ここに来たのは昨日出会った男の話が頭に残っているからだ。 |
今、手にしているのは一揃いの靴、頭の中では彼の言葉がこだましている。 「自分のやることを好きになって、あきらめず前に進みなさい。自分のルーツに忠実に。」 「日々向上」がロトゥーセの理念。 胸の奥に力が芽生えた気がした。帰路に着いた私の荷物に靴が一足増えていた。 |
Vol.15
旅の記憶
Vol.14
スペイングルメ
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夜のそぞろ歩き
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Vol.11
列車遅れの衝撃
Vol.10
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イゾラ・ベッラと観光船のオヤジ
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Vol.2
出発、イタリアへ
Vol.1
ちょっと贅沢な欧州列車旅行の準備